2013年1月13日日曜日

コンクリートから土へ

旅を終えて
2012年の12月から2013年1月まで、1ヶ月オーストラリアへ行って来ました。土に感心を持ったことの原点。農場をめぐってのオーストラリアのファーマーの取り組みは、また多くのインスピレーションや刺激をいただきました。
日本でも色んな方から同じように刺激を受けますが、違う環境や考え方の方々と接することは、大切だなと思いました。

農地での土の管理や保全などの大切さは、これまでにも書いた通りですが、いくつかこういうプロジェクトを日本でできる形にして取り込むことで、私たちが生活する環境全体にプラスになるのではないかと思ったことがいくつかあります。



コンクリートから土へ:土を考えた都市型ガーデン
下の写真は、都市の郊外型ですが、これは面白いプロジェクトだということで見学へと出かけて来ました。
Meridian Urban Ochard: VIC


ビクトリア州にあるこの場所は、日本で例えるとニュータウン。何もなかったところに街をつくる時に、ただ家を建てて売るだけでなく、町ごとデザインで面白い町を作っています。


写真にあるように家が建っているのはどこでも同じですが、道路の側の車が停まっているスペースからその横の樹木までのスペースが特徴的なスペースなのですが、植えられている樹木は桃や、リンゴ、オリーブなどの果樹です。この果樹のスペースは住んでいる住民の方々が収穫する事ができる共同スペース。

ただ果樹が収穫できるというだけでなく、年間降水量が600mm程度の乾燥したビクトリア州(東京は約1530mmと2倍以上多い)では水が貴重な資源です。しかし、その貴重な資源は都市が開発されればされるほど、コンクリートに降った雨はそのまま排水口へ。排水口から直接川→海といったように流れさってしまって使われることがありません。

ここのプロジェクトの面白い点は、コンクリートの面積を減らし、貴重な水を土に浸透させ、植物が使えるような形を作っている点です。さらに木や植物があることで、木陰を作って体感温度や地温を下げ、新鮮な果物まで収穫出来ます。
また屋根に降った雨も雨樋を通って、そのまま排水口に行くのではなく、地中に通した穴の開いたパイプを通すことで、植物への灌水設備もつけるということまでしています。

まだまだ改良の余地はあるんだろうと思いますが、こういうアプローチでの街づくりは今まで見たことがなかったので、すごく刺激を受けました。

雨が多い日本の環境ではそこまでの設備はいらないかもしれません。しかしコンクリートから土へ変えていくことの可能性を見学へ行って感じました

土を考えたインフラづくり:高速道路

NSW州の道路づくりは毎回話を聞いて面白いなと思います。
その環境にあった植生を作り、出来る限りムダなエネルギーを減らす形での道路づくりはあとでの管理を考えても良いことが多い。

土を削ってどこかに捨てるのではなく、高速道路建設で必要な場所に使う

写真の様に土を剥いでいくまでは同じですが、この土は一度別の場所に移動させて、植栽をつくるときにまた再利用されます。

高速道路建設時に切り倒した木や刈った草などを、その場で使えるようにコンポスト化
切り開くときは当然、生えている木や草は切り倒し、刈り取られますが、そのまま集められその場で粉砕処理されます。それはまた植栽をつくる際に草を抑えるマルチ(敷きワラのように)として、コンポストとして有効活用されます。

植えられる植物は、亜熱帯のその地方に昔からあった植物。乾燥に強く、気候に適した植物を植えることで、芝生のように毎日の散水が不要になったり、雑草対策も減ったり、病気などの対策もほとんど不要になるなどいいことづくしです。

ただのコンクリートの道をつくるのではなく、ちょっとしたスペースを植物の育つ気持ちの良い環境を、出来る限りムダを減らしてつくる。
私たちが生活していく上で、欠かせない道路。同じつくるのであれば走っていて気持ちの良い道路を作りたいものです。
これもあれば良い土をつくるという所に関わってやってみたい。


恵まれた環境
それにしても前回のハワイ、今回のオーストラリア。どちらの国にいても共通して感じるのは日本は恵まれた国だということ。
石油などの資源はないが、自然資源、水や土や気候など恵まれた良い国です。
しかし、まだまだもっとこうしたらもっと良くなる所が多くあります。それを少しずつ変えていきたい。
昨年の選挙の結果で感じましたが、政治家が云々ではなく、自分たちがもっと気持ちよく過ごせる環境を関心を持って提案して行かないといけないですね。

改めて土とつながる所の多さ、できることの多さを実感。少しずつやりたいことを実現して行きたいものです。

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